レーシングスーツへの思い
所属が変わり、レーシングスーツを変えることに伴い
このオフシーズンに、初めて1から自分でデザインさせていただきました。
これからは青と桜のコントラストを纏わないことは、自分で決めたこととはいえ、寂しいものがあります。
それでも強く前を向いて進んでいくためにも、このレーシングスーツの作成には特別な思いがありました。
桜に変わる象徴を背負っていきたいこと、誰とも被らないデザインでいきたいこと、
そしてこのデザインにたくさんの意味を込めたいこと。最終的にそれらを全て詰め込んだデザインとなりました。
まず、桜に変わる象徴として、「雪の結晶」を選びました。
何か私の代名詞になるものを作りたかった思いもありますし、これからはスケート靴に氷の結晶をつけられなくなるかもしれないので、それならレーシングスーツに入れ込みたいという考えから始まっています。
そんなアイディアから始まり、巷に溢れている雪の結晶ではなく、1から私の思いをこめた雪の結晶を作ろうという
TOKIOインカラミ社長のご提案により、デザイナーさんにお願いして雪の結晶からデザインすることになりました。
私がスケーティングに求めるもの、スケーターとしてどうなりたいか、どんな姿で氷の上に立ちたいかを言語化し、それらをデザイナーさんに“雪の結晶”として表現していただきました。
打ち合わせは何回か行い、たくさんあった案の中から、私の直感で気にいるものを選び、更に私の思いを表現できるような形へと変化させていきました。
自分の思いを言語化することは、自分自身を見つめ直さないとできなかったので、とても有意義な時間でした。
改めて考えた時に、私がスケーティングに求めているものってなんだろう。これからどうなっていきたいんだろう。というのを深く深く考えたオフシーズンになりました。(レーシングスーツのデザインと並行して、このHPの作成も行なっており、自分のスケーティングへの理想は主にHP作成時に組み立てたものが基盤となっております)
また、自分で言語化した思いが形になって出来上がってくるのはとても興味深いものがありました。
例えば、私は一つの単語に、“しなやか”というワードを選んだのですが、
周りから見た時の“しなやか”と私が持っている“しなやか”というイメージは少し誤差があるということ。
では、私が持っている“しなやか”というイメージはもっと具体的に説明するとどういうふうに言えるのか。
打ち合わせの最中にデザイナーさんに伝えていく中で、自分を深く深く掘りながら見つけていきました。
最終的にこの結晶は、レーシングスーツに落とし込んだ時のイメージから一番自分がテンションが上がるものを採用させていただきました。
時間をかけて作ったものだったので、とてもお気に入りの結晶となっています。
もともと、着るものにそこまで強いこだわりはなく、どちらかというと
あるものをどういうふうに着こなすか、という方に強い関心がある性格なので、
最初は自分の意見というものがなかなか出てこなくて正直大変でした。
それでも、自分一人しかいないので、自分の考えを出すしかなく、根気よく自分を深掘りしていくと、意外と興味がないと思っていたものにも自分の意思をしっかり持っているものなんだなということにも気がつきました。
そういう思いを拙い単語の中から引っ張り出してくれたマネージャーやデザイナーの方には感謝しています。
シンプルだけど、目立つ。シンプルだけど、自分が大切にしていきたいものは詰め込まれている。
そんなスーツになったのではないかなと思います。
皆さんの前で披露できる日が楽しみです。
最後となりましたが、別注のデザインを受け付けていない中、最後まで丁寧に対応してくださったミズノ様に感謝申し上げます。
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