2023-24シーズン振り返り
思っていた以上に、濃い一年となりました。
所属変更から始まった1年間。
そして、teamGOLD結成を結成し、新たな仲間と共に戦った1年間。
ここまで濃く、充実した時間を過ごせたのは、この挑戦に挑むにあたって、暖かく背中を押してくれた日本体育大学の皆様と、
新たなチャレンジを達成するべく力強いサポートを決めてくださったTOKIOインカラミの皆様のおかげです。
さて、10月20日全日本距離別からシーズンが開幕した2023-24シーズン。
ワールドカップでは過去を振り返ってみても、順位的には一番いい1年を過ごせたのかなと思っています。
でもタイムを見ると、リンクレコードを残すことはできませんでしたし、納得のいく試合(特に前半戦)は少なかったのかなと思います。
このことを踏まえても、順位は私の調子の良さだけでなく、周りの選手の調子の良し悪しにも左右されると常々考えております。
なので、今回の順位の良し悪しに関しては、私の力が伸びていることの証明にはあまりならないのかなというのが私なりの評価です。
今シーズンの一番の収穫は、過去の自分が無意識下で行っていたことを、意識下で行えるように理解を深めることができた点です。
昨シーズン、(理由は他にもあるのですが主に)選手一人の環境で過ごしたことで、
無意識下に行っていた自分の強みでもある効率的なスケーティングを一度見失いました。
面白いことに、今年はそれを理解した上で取り戻そうとしたわけではなく、純粋に自分がどうすれば速くなるかを常々考えていく中で、
他のスケーターとスケート談義を繰り返していくうちに、自分の強みと弱みが客観的に見えるようになり、
やっとその強みを昨シーズンの自分は見失っていたのだなと認識するようになりました。
そして強みと気づいたポイントは大抵が過去の私は無意識下で積み上げていたもので、
意識して取り組んできた時間が少ないからこそ、意識して取り組むことに面白さを感じることができました。
これらを感じるようになったのが、年明け後のソルトレイクに移動してからです。
同じチームの村上さんとスケートの話をよくするようになったことが一番大きなきっかけです。
彼の思考は、私と真逆のところが多く、見るポイントも視点の角度も、違う点が多かったです。
だからこそ、気づくことがたくさんあり、違う視点での見方を知ることで、私の強みも同時に知ることができました。
自分自身の強みを自分で探すのがなかなかうまくできず、今シーズンのはじめにヨハンからも
「あなたの強みを自分で理解する(感じる)ことが大事だから考えてみて」
と言われたくらいなのですが、他者との会話の中からだったとしても自分の思考で気付けたということに
大きな意味があったのかなと思います。
そして、自分の強みを知れると、同時に自分の足りないものにも気づくことができました。
来シーズンはそれらを埋めていけるように、夏場のトレーニングから取り組んでいきたいと思っています。
また今年は、新しいブレードを1年間通して試したことも大きな経験だったと思っています。
ブレードのことを書くと記事が長くなってしまうので、気が向いたらいつか投稿しますね!
とにかくさまざまなことを考え、トライし、振り返っては誰かと話しながら、自分なりの考えを構築していきました。
それでもシーズンが始まる前の9月10月ごろは、うまくいかないことも多く、
必要以上に思考にふけてしまい、少し塞ぎがちな時期もありました。
前年度のシーズンほどは自分のスケーティングを見失ってはいない。でも、何かがはまりきっていない。
この感覚の時期は何から手をつけていいかわからず、案外難しい時期でもあるような気がします。
調子の波は、上がる時もあれば下がる時もある。下がる時があるから上がる時がある。
そう分かってはいても、なかなかしんどい時期というのは必ず存在します。
一年を振り返ると、同時にさまざまなことが思い返されて行ったりきたりしてしまい、
うまくまとめられないので、どうしたらいいのかなぁと思案中です。
ただつらつらと書くのと、文章にまとめるというのはまた違うことなんですね。
これでも結構書き直しました。笑
これ以上はまとまらなくなるので、スケートに関する一年の振り返りはこの辺りにしたいと思います。
今年は、スケートというものを深く深く考える時間がとても楽しかったです。
それは、それを体現できるだけの体があったこと、またスケートに集中できるだけの環境を整えられつつあったこと、
そして共にトレーニングできる仲間が増えたからこそだと思います。
これらの環境は当たり前ではなく、たくさんの方々が、私の挑戦を支えてくれたからこそ過ごせた時間だと思っています。
競技を続けていく上で、資金というものは絶対的に大切ですが、どんなにお金をかけることができても最後にやり取りするのは人と人。
この人たちの思いに全力で返したい。と思えるサポートをたくさん受けることができて、なんて幸せ者なんだろうと、心から思います。
そして、現場を充実させるための土台を作ることができたのは紛れもなく、
手厚くサポートしてくださる所属スポンサーのTOKIOインカラミ様をはじめ、
長くサポートしてくださる明治様、CW-X様、OAKLEY様、KOSE様や、チームサポートにご尽力いただいた京都下鴨病院様、
オランダ企業のProudPeople様、Hokkai Suisan様の皆様のお陰でございます。
皆様の思いに応えられるよう、今後とも日々精進してまいります。
最後になりましたが、どんな時も変わらず、応援してくださるファンの皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
また会場で、テレビを通して、お会いできる日を楽しみにしています。
2024年3月
高木 美帆